【お金合同05】ペイパーバック・ライターの情緒的な死と新生(成未夢蘭)

◆ひとくち紹介

 同人作家メルリーこと姫木メルは、匿名の人物から有償の創作依頼を請け負っていた。

 ほとんど誰の目にも触れないオーダーメイドの二次創作とはいえ、締切には必ず間に合わせなければならない。

全くの新しい試み。進まない原稿。とうに時間感覚を失い、思考はこぼれ落ちる。

◆読了後の感想……の前に

 ダンボール箱を用意して、「待たせたな」と言いたいくらい久しぶりの更新で申し訳ないです。ちゃんと読んでます。この作品については合計4回くらい読みました。
 多忙により感想を掲載できていないのですが、お金合同は通読しているので今日からまたぼちぼちあげていきます。

◆読了後の感想(ネタバレなし)

 個人的にはとても好みの味付けでした。濃厚な読書体験をしたい人におすすめです。

 内容については、あまりここでお話しできることもないので、ぜひ本誌を読んでいただきたいのですが、本作品はメルちゃんが(たぶん)初めての有償依頼に悩んで悩んで悩む話になっています。

 実際、有償依頼って難しそうですよね。
特に二次創作って異常なほどの熱量が無いと書き出すことすら不可能なように思えます。私だけかもしれません。

 それに、自分で書くと決めた原稿だって……なかなか書けない時は辛くて苦しいですからね……。

 途中まで共感と同情のままに読み進めてラストで衝撃を受けました。

 お金合同の中でも異端の良作だと思います。

以下読んだ人向けの感想

 物語論に明るく無いので見当違いなことを言うかもしれませんが、本作は特にラストの一文が秀逸でした。

 ああやって綺麗に終わらせて、しかも読者の満足を引き出せるのは、成未夢蘭先生のセンスの成せる技でしょうか。

 物語というモノの構造を活かした、いいラストでした。

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