◆ひとくち紹介
「百花繚乱の委員長――七稜アヤメが、雪原にて凍死体で発見された。――『彼』が初めて現れたのは、正しくそんな折だった。」
 シャーレの先生は、生徒を最悪な形で失ってしまった百鬼夜行、そして百花繚乱のもとに通います。
特にアヤメの幼馴染であった副委員長、御稜ナグサと先生は真摯に向き合い、真剣に寄り添おうとします。
 しかし、ナグサにはどうしてもわからないことがありました。
「どうして彼は……自分なんかと一緒に過ごしてくれるのだろう。」
 お金合同の6作品目にして、「価値」に正面から向き合い、美しく描く本作は必見の傑作です。
◆読了後の感想(ネタバレ無し)
 うーむ。好き。
 ブルアカって小説を書いてる人の層が厚いことで有名(らしい)ですが、個人的にはHaito先生の作風が好みなんですよね。
 すぐに銃と刃物と犯罪に、派手な殴り合いを展開してしまう私には絶対書けないタイプの作品で、いつも憧れています。
 さて、本作は自己肯定感がどん底のナグサが、先生の寄り添いによって自分の価値を見つけるお話になっています。たぶん。抽象的にまとめるならそんな感じです。全人類読んでください。
とても苦しい状況で、ページを捲りながら時々思わず涙してしまうような場面もあります。
そんな辛い中でナグサに寄り添い続ける先生の姿は、本当に偉大で素晴らしいと……素晴らしいことには間違いないのですが、なんでしょうね。人間って難しいですね。
 ちなみに個人的にはとても大好きな結末です。
		 
		
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